台湾ヤマハ&わかばマン 手八丁口八丁

ああ、しんどい。書くのがめんどい。
ネタにしてた水道事業民営化は大阪市が実践してしまった。
ついでに大阪のラジオでは「今、福岡が熱い!!」と企業の福岡移住を推進している。

つまり、もう衝撃の事実として用意してたネタがほとんど既に現実のものとなってしまったのだ。
どうしたもんやろなぁ・・・。


このお話は、M&Aとかハゲタカファンドが企業を乗っ取る悪行が横行した80年代のアメリカで作られた映画に対するオマージュです。
↑の「ウオール街」と「ハーレー・ダビッドソン&マルボロマン」はどちらもマネーゲームと企業のお話でして、「企業」のアイデンティティは一体どこに求めれば良いの?というテーマで作られてます。
前者は主に左翼がマネーゲームを批判するだけの内容ですが後者は企業を人に見立てた場合のアイデンティティの拠り所は企業が消費者に訴えるメッセージの中である、つまり看板の中の世界観こそが本当に「企業」が「消費者」に提示する理想論であり、会社のアイデンティティであり、社会に貢献する唯一の手段である、というちょっと哲学的なテーマになってて深いんです。
だから今回後者のパロディとしてこのお話をチョイスいたしました。

2010年代の日本でならあの映画はきっとこういうお話であろう、という感じで。


※このお話はフィクションであり、登場する個人・団体・事件等は現実のものとは一切関係ございません。

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さて、台湾が謎の女ドゥ襲撃のための特殊部隊キャンプに潜入したのと同時にわかばわかばでバイク部隊の集合場所にたどりついていた。
この部隊はドゥのいる場所から少し離れた国道沿いの駐車場に集合している。
人目があるので大っぴらに銃器は出していないが彼らが乗っているバイク・ホンダVFR1200Xはフルチューンが施されており、フロントフォークにはショットガンがすっぽり入るホルスターがつけられている。

さて、その部隊の連中が近くの自動販売機にジュースを買いに行った隙をついてわかばが草陰から飛び出しバイクに細工をし出した。

バイクの総数は8台。それら全てに細工をするには時間がかかりジュースを買って戻ってきた隊員に見つかってしまう。

隊員「おい、お前何してる?」

わかば「え、いえ、何も・・、いいバイクだから眺めてただけで・・・」

隊員「お前その工具で何をしようとしてた(と言ってわかばの手を指差す。わかばは手にニッパーを持っていた)」

わかば「え、ええ、こ、これは」

隊員「(わかばに銃を向けて)俺たちのバイクに手を出したのが不運だったな。おそらくバイク泥だろうが、この仕事は秘密厳守。俺たちの存在を知っただけでも死んでもらう」

と、その時隊員の一人のスマホから連絡があった。

隊員2「お〜い、直ちに出撃せよ、って言ってるぞ。そいつは俺が始末するからお前らは先に行け」

隊員「ち、しょうがねぇなぁ。(銃を下ろす)ちゃんと、銃声を聞かれないように素手で殺すんだぞ」

隊員2「わかってるよ」

隊員達が出撃した後、隊員2はわかばを草むらに連れて行き、押し倒してわかばにまたがりナイフを突きつけた。

隊員2「悪いな」

と、わかばの喉にナイフを突き刺そうとしたその時、わかばカウボーイブーツ(本当はローパーブーツ)にしのばしてたナイフを足を空に向けてあげることで隊員2の背中に落とした。落ちた向きは柄の部分だったがびっくりした隊員2は後ろを振り返る、その隙をついてわかばは踵を地面に踏ん張り、地面を蹴った。隊員2の体で押さえつけられていたわかばは頭の方に向かって思いっきりずれ、またがってた隊員2はその勢いで後ろにのけぞった。
わかばはすかさず自由になった手で隊員2を殴り、ナイフを持った方の手を足で押さえつけた・・・が地面が柔らかいので手はスルリと抜けてわかばの足をナイフで切りつけようと振り回す。それをよけた拍子にずっこけるわかばの顔にジャンプしてナイフを叩きつける隊員・・・・のはずがナイフはわかばの顔の直前で止まった。
わかばはこけた拍子に自分のナイフを拾い、飛びかかってきた隊員2に向けたところ見事に心臓に突き刺さり隊員2は即死した。

はじめて命がけの格闘の末相手を倒すことになったこの心やさしい青年は普通なら人を殺した罪悪感に苛まれても良さそうなところだが、「出撃」ということはもう既にドゥにピンチが迫ってることを思い出して、あわてて先ほど自分が細工したバイクに乗って現場へと向かった


つづく