そこで女は・・・・・・

見ました。崔洋一監督の最新作。

この監督の映画を最初に見たのは小学生の時に見たこの映画だったように思います。

十階のモスキート デラックス版 [DVD]

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今考えると昨年の郵政民営化、総選挙の政治劇を20年も前に先取りしてたんすね、この監督。
(注;主演の内田裕也小泉首相似でKO卒であること、バツイチで愛人がいること、XXXシーンがあること、最後に郵便局強盗を犯すこと以外は接点ありませんけど)


おっとっと、話がそれたけど、この「血と骨」、みんなが言うほど見るのがツライ映画ではありません。
支配するものと支配されるものの関係をテーマにしてて、主人公の主観でストーリーが展開していってるんでわかりやすかったですね。


父=強さ  母=弱さ  兄=優しさ   姉(とその彼氏)=純粋さ

を象徴してて、登場人物の行動に一々納得してしまいました。


母は結局苦しむだけの人であり、兄は優しさ故に甘さが出てしまい長生きできず、姉と彼氏は結局結ばれることなくどちらも非業の死を遂げます。

そして、結局生き残るためには・・・・・・・・

父のように強さを追い求めなければならなかった、という感じでしょうか?


ま、この映画は崔監督の「人間」を見つめる奥深い考えが投影されてますんで、一言では言い表しにくいんですがね。

最後に、この映画は大阪市内の在日コリアンのコミュニティが舞台になってて、暴力的な性描写があったりするんですが、そこだけみて「ああ、やっぱりアイツらこうやって子孫増やしてたのか」なんてしょうもない発想はしないように。

日本にも 夜這い という麗しい性の伝統があったことを決して忘れてはいけませんぞ。