反逆の系譜

とうとう観てきましたがな「パイレーツ・オブ・カリビアン」の「3」

なんかねぇ、予告編見てたら「東インド貿易会社が制海権を手に入れるためにどう」とか、とてもディズニーとは思えない話の展開らしいんで気になってたんですよ。

で、観た感想。


もう無茶苦茶。

近年No,1のアナーキーさが全編みなぎってて確かに他のディズニーとかハリポタとかと比べたら思慮に欠ける面があるんで(というかそればっかり)いわゆる万人向けの作品というわけではないんですが、一度はこの「アレハンドロ・ホドロフスキーmeetsディズニー」といった様相のカオスを体験していただきたいもんです。

大体ディズニーといいますと、アメリカが世界に誇る広域指定総合アミューズメントカンパニーなわけでして、その規模もピクサーを筆頭に2次団体3次団体を多数抱え、それに関連する企業舎弟も星の数ほど持っているいわば「アニメ、アミューズメント界の菱形軍団」なんですね。

そしてその掟はきびしく、肖像権を犯したものは例え子供が描いたミッOーマウスのイラストであっても許可なく描かれたものは消すか破棄するよう命じられるんです。
(そのきびしい掟の故かミッOーもミOーも指は3本しかない)

自分達の許しなく、自分達のキャラを使った場合は海賊版を作っているのと同様とみなすんです。(つまり使った人は「海賊」である、と)

更に、創立当初からライバル会社の吸収合併には力を入れており昔一世を風靡したアメリカのアニメキャラの多くは現在ほとんどこの会社が権利を持っとります。

アニメという20世紀に生まれた出来立てホヤホヤの産業にあって、自分達の縄張りを拡大するためにM&Aを繰り返し多くの権利を手に入れ(本当は同業者が財政難で苦しんでたから救済してあげてただけなんだけど)、その著作権を鉄の掟で支配するディズニーという会社。おっかないですなぁ。

そして「パイレーツ〜」の敵役として出てくる「東インド貿易会社」。これは実在する団体なんですが、彼らは当時最強であった英国海軍の軍事力を背景にインドからの貿易権を掌握し、果ては世界の海を我が物にして安全に貿易ができるように世界中の海賊たちを抹殺しようとします。



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これって



とどのつまりが


東インド貿易会社ってのは現在のディズニーです、ってことが言いたいんとちゃうの?


最初は何となくそれっぽいかな?くらいに思ってたんですが話が進むにつれてそれが確信になりましたよ。(くわしくは映画を観てね)
プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーさんといえば最近では「バッドボーイズ2バッド」なんていうヌーベルバーグな刑事アクションものを作ってすっかり「トンデモプロデューサー」の仲間入りした人でしょ?あの人ならやりかねない。
さすがにディズニーが関わってる映画でこんなディズニー批判を思いっきりやっちゃったらこの人(ジェリーさん)2度と暗い夜道は歩けなくなるんじゃないか?と映画観ながら老婆心ながら思ってしまいましたよ。

その他にも見所(といってもそのおもしろさはディズニー社の利益と相反するものばかり)はたくさんあるんですが、それはまたの機会に。
それにしても最近のアメリカ映画はけったいなのばっかりですなぁ・・・・