ロン毛忍者の正体
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というわけで、ワタクシ、最近和歌山県は岩出にある根来寺というところに逝ってまいりました。
根来寺は真言宗の由緒あるお寺でして、その辺一体は中世の頃はヴァチカンのような宗教国家だったと言われております。
国家なわけですから軍隊なんかも持っておりまして「僧兵」というのがおります。
よくイラストなんかでは僧兵は平家物語の武蔵坊弁慶と同じ格好をしてるんですが、かつて根来の地を訪れた宣教師のルイス・フロイスによりますと根来の僧兵というのは総髪(ロン毛)で黒装束(今で言うゴス)という一風変わったスタイルだったそうです。
何しろ僧と言ってもかつては野山を渡り歩いて暮らしてた風来坊たちを雇い入れただけなので、都ではまずお目にかかれないような変わった風俗がこの人たちには見られたということです。
で、どうやらこの人たちが上で紹介してる「赤景ソ(by shidehiraさん)The Red Shadow」などに敵役として出てくる根来忍者のモデルなんだそうです。
僧兵=元風来坊ということで血気盛んでチンピラくさい忍者集団という映画での描写はあながちウソではないようです(こんなとこだけリアルにしてどうする)
さて、忍者小説やらによく出てくる総髪(ロン毛)の忍者さんの元祖は山田風太郎の「甲賀忍法帖」に出てくる伊賀忍者の薬師寺天膳という人かと思われます。(と思ったんですが、この小説読んだの大分前ですんでどんな風貌だったか覚えてない、映画版、漫画版がロン毛なんで間違いないはず)
この小説、江戸初期を舞台にしてますが、薬師寺さんは200歳を超える高齢で、おそらく「天正伊賀の乱」の時の織田信長による大弾圧も体験してるかと思われます。
この伊賀の乱の時に伊賀忍者たちが逃げ延びたのが根来寺であるそうなんで、その時現在のフリーターよろしく、薬師寺さんも僧兵のバイトをやっていたんでしょう。
その時の名残で彼は江戸時代になってもロン毛のまんまであった。というのが僕の説ですが、とりあえず忍者でロン毛というのは根来が起源ということで間違いないでしょう。(オチはない)