アクション女優

ルパン三世 念力珍作戦 [DVD]

ルパン三世 念力珍作戦 [DVD]

観てしまいました。

どうもルパンファンの間では非難轟々らしいこの実写版ルパン。個人的にそこそこ楽しめました。

アニメ版というか生身の人間が一から作り上げた代物なんで類似点の方が少ないんですが、目黒祐樹(ルパン)田中邦衛(次元)江崎英子(不二子;今見ると沢尻エリカに似てる)伊東四朗(銭形)というキャスティングで所々に原作のキャラ(ストーリーではなくて)の面影を見せながら、俳優が己の力量をフルに活用してそのキャラに成り切るんではなくねじ伏せようとしてる感じの演技をしてるんですね。次元大介vs田中邦衛の戦いがスクリーンで展開されるというか。

それゆえ、東宝プログラムピクチャー独特ののんびりした雰囲気の中にピリピリした空気が漂ってる感じがあってかなり新鮮だったりします(笑

お話の方は目黒ルパンが滅亡した犯罪組織「大ルパン帝国」の2代目ボスという設定で、先代の舎弟唯一の生き残り邦衛次元が彼をまつりあげて帝国を再建しようとするという、どう考えても右翼団体天皇をまつりあげて大日本帝国再建を唱えてるのを連想せずにはいられない設定です。

脇を固めるチョイ役が綾小路きみまろのお父さん(多分違う)のE・H・エリックやら当時人気のあった漫才師の青空球児・好児(ゲロゲ〜ロの人)そして、後に「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」で声優として再度ルパンと共演して名演をみせてくれた塩沢とき

それにしてもこの映画に対してルパン・ファンが怒る理由というのを僕なりに考えたんですが、

※(アニメの)ルパンのイメージが壊れる

というのがあるんですが、そもそもルパンは漫画のイメージにプラス、山田康雄氏の個性がかなり強く反映された面があるんで、実写版で目黒さんの個性が反映されたとしてもそれはオッケーな気はしないでもないです。それとこの映画、東宝イズム・オンリー(ちょっと「不良番長」入ってるけど)で製作されてるので、アニメのように鈴木清順氏のような日活人脈が関与しておらずアニメ版にそこはかとなく漂っていた日活独特のスタイリッシュさがないところが致命的なんでしょうな。


そして最大の理由(と思われる)



※プロデューサーが中山千夏

ええ、どういうわけかこの人が絡んでくるんですねぇ。この人後に「じゃりン子チエ」のチエちゃん役で、西川のりお氏、永井一郎氏と絶妙の(会話の)絡みをみせるんですが、「じゃりン子チエ」は漫画アクションルパン三世より人気を得てルパンが降板したという逸話があるんだそうで・・。「〜チエ
」の関係者がルパンにも関与してるってのはファンとしては許せないんではないでしょうか?


それにしても中山さんは漫画アクションの作品によく絡んできますねぇ・・