痛恨のヒップアタック

世間では「小林少女」が最高にアレだと話題のようですがそんな時なのになぜか僕はこんな映画を見てしまいました。


一応かの有名な「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のリメイク(ということは2度目)として登場した3D仕様のこの映画。実はリメイクではなくて「ナイト〜」をメタフィクションとして挿入し、オマージュを捧げた作品となっております。

で、登場人物の名前が一緒だったりするんですよね。ベンとかバーバラとか。ただキーパーソンとなるオリジナルキャラもでてきます。

葬儀屋役のシド・ヘイグです。

「あの頭がはげててヒゲをはやした人?」というその通りだけど聞いててやるせない気分になってしまう紹介があったりして楽しましてくれるんですが、例えキャストがどうがんばってもこの映画、基本的なプロットが「ナイト〜」を踏襲してて先が読めるし、とりたてて「あっ」と驚く展開がないもんだからすんばらしくダレるんですよね、見てて。


元ネタでも登場する中1くらいの女の子が異様にかわいかったり(凝ったキャラ設定がなされてるはずだけれどもすぐに死ぬ)とそっち系が好きな向きにはたまらないおまけもあるんですが非常にせまっくるしいシチュエーションでどんくさく奮闘する(しかもそれを3Dでみしてくれるわけだ)面々を見てるとため息だけが出てくるんですよ。(それでも最後まで見てしまえるのはこの空間設定の奇妙さ加減がサイレント〜トーキー時代の恐怖映画を連想させてくれるからである、独特な世界観に無理やりお客を引きずり込む感覚が見世物小屋的でたまらない)


そして、この映画の一番のハイライトであろうシドおじさんに拉致られてゾンビの群れに放り込まれそうになった主人公バーバラ(腕を縛られて手の自由が利かない)がゾンビの群れの手前でシドおじさんに


渾身のヒップアタックを喰らわすところでしょう


この絵ヅラのなんとも間抜けなことといったら、その後ゾンビの群れに放り込まれたシドおじさんが死に物狂いで群れから抜け出すところが地獄絵図というよりも「セクハラで女子大学院生に訴えられた大学教授が報道陣に囲まれてきりきり舞いしてるの図」にしか見えなくなってしまう有様でして、これを見るだけでも目がチカチカするのをこらえながら3Dで見た甲斐があったというものです。


(映画自体は残念ながらさほど面白くないんですが、細かい設定等に非常に脚本家さんの苦労が垣間見えるというなんとも不思議な映画ですんでヒマがあったら一度見ることをお勧めします。どうでもいいけど僕の目がおかしいのかあんまり3Dで見えるシーンが多くなかった・・・・)