彼の中にハリーを見た
前回の続きです。
え〜、自らの快楽のために本能の赴くままに犯罪を犯す悪党と法律やモラルを越えてそれを追いかける追跡者。というのがこの「ダークナイト」のテーマなんですけども・・・
それって要は
「ダーティー・ハリー」やろ?
と167分間座りっぱなしで痛くなったケツをさすりながら思った次第であります。
(ジョーカーが銀行強盗したあとにスクールバスで逃走するのもそのせいだ)
これは原作からのテーマなんですが、映画版ではこういうテーマが加えられております。
悪によって大成したものはさらなる悪によって滅ぼされる。
これって実はアイルランド人をはじめとするケルト人が持つ独特の道徳(?)規範でして、圧政を強いた悪代官が魔王ルシファーの妬みを買って村ごとハンマー(ルシファーはハンマーを持った大巨人、レッド・ツェッペリンのTシャツのアートワークでおなじみ、サタンとは別人)でぶっつぶされる、という伝説に起因してるんですね。
ただ、ジョーカーの犯行の手口というのが
予測不可能の行動で相手を不安に陥れる。
口八丁手八丁で相手を自分の思うままに操ろうとする。
「罪悪感」を伴う行動を他人に強制することで相手を洗脳する。
これって普通にどこにでもいるヤOザがやる処世術だよ。昔(悪い意味で)お世話になったヤクザのなりそこないがこんなことばっかやってたよ。
こんなことやる奴が世界中でジョーカーだけだったら羽O研二があんなへんな恐喝に手ェ貸すかっての!
今ひとつ凡庸な感じから逃れられてないんですわ。
というわけで
次回はブッシュ政権の「テロとの戦い」路線で平和ボケしまくった銀幕の中の悪党を総括すべくかつての銀幕の名悪党をご紹介する予定です。