イケメンルール

え〜、昔から映画にはある特別なルールがございました。

それは

イケメンなら何やってもおk

というものです。
まぁ、よくよく考えれば映画で主役級になれるような2枚目といえばそれだけである種の特権なわけですからあくまで銀幕の中ということで考えれば納得できる考えなんですけどね。

まずは日本が生んだハリウッドスター早川雪舟(本名;早川金太郎)

http://www.eigafan.com/yomueiga/from_hw/archives/2007/01/80.html

上リンクの映画「チート」の内容参照

女性に焼き印押してもOK

なんかこの時点で「それなんてエロゲ?」っていう世界なんですがいいんです、イケメンですから。

そして、フランスの貴公子ジェラール・フィリップ

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もうこの映画でもジェラールお兄さまが

1)金に物を言わして他人の女を寝取る。

2)取り返しにきた男を卑怯な手で殺害。

原作ではこれにプラスして倒された男の死に際にかつてのその男の恋人といちゃついて「コイツはもうオレの女だ、どうだ悔しいか、あ?」と北斗の拳の悪役みたいなおふざけをするんですよね。

ジェラールお兄さまはその他にも「モンパルナスの灯」でストーリーに全く関係なく情婦をぶん殴って気絶させたりと「女を粗末に扱うのが男のロマンやがな」と言わんばかりにピカレスク男のロマンを探求いたしました。(ここらへんの感覚は「眠狂四郎」に受け継がれます)


そして真打ちジャン・マレー!この人は作家のジャン・コクトーのお稚児さんとして同氏の映画に出演したのをきっかけに映画デビューした人なんですが、この人が主演でかつてサイレント時代にヒットしたフランスの人気シリーズ「ファントマ」を60年代にリメイクしてるんですな。

http://www.webstyle.ne.jp/movie/roadshow/0606fantomas.htm

で、この映画の主人公はハッキリ言って「世界征服を企む悪のテロリスト」ファントマさんという「犬神家の一族」の青沼シズマと金正日を足したような謎の男なんですな。もう人は殺すは破壊活動はするわでとことん悪い奴なんですがそれが、ポップでおしゃれな60年代フレンチテイスト でおもしろおかしく(しかも子供が見て真似したくなるような感覚で)展開するんですな。(こういうのが昔は普通にサンテレビとかで放映されてたんだからいい時代だったもんです)

イケメンのジャン・マレーファントマを追う新聞記者という役なんですが、僕の親父によると「ホンマはあいつがファントマの正体なんやで」ということです。(おそらく原作を読んだことあるんでしょうが、真偽のほどは不明)


とまぁ、このように映画の世界ではですね、例えモラルに反するようなことであっても「イケメン」がするんであればOKという感覚だったんです。犯罪に関する感覚が相対的なものだったんですね。実際その程度のモンなんすよモラルなんて。


こういうのを田舎で刺激がないから子供時代は見て(早川雪舟意外ね)喜んでたんですが、最近じゃ、なんですか?東京に住んでる人たちが体感治安が悪化したとかでこういうのを「ああいやだ、なんとかしてくれないかしら」とぎゃあぎゃあ騒ぐようになったんですね。そんなことばっか言ってたら田舎の人間に笑われますぜ。というわけで上記のような作品を見て「悪党慣れ犯罪慣れ」しておくといいかもしれません。