しっぽ

え〜、アメリカの「もう一匹の偉大なるねずみ」ラットフィンクとその生みの親エドビッグダディ”ロスのセミドキュメンタリーが日本でも公開されるんだそうで。


で、この緑色のネズミ、皆さんどっかで見たことありますよね、ほら、アメ車とか好きな人がいろんなとこにステッカー貼ってはるでしょ?(アメ車好きのギタリスト ジェフ・ベックもギターの後ろに貼ってたよ)

まぁなんといいましょうか、アメリカの”裏の”大衆文化の顔役とも言うべき偉大なキャラクター「ラットフィンク」なんですけれどもこのラットフィンクと言う言葉にはどうやら「告げ口野郎」という意味もあるんだそうで、初期(60年代前半ね)のイラストにはエド・ロスさんのアートの横にラットフィンクが描かれてて「エド・ロスのしわざだよ」としっかり告げ口してるんですわ。

で、50年代のアメリカといいますと何回も書きますが「赤狩り」旋風が巻き起こっててみんながみんな隣近所の気に入らない奴を「あいつはアカだぜ」とお上にチクリまくってたというそれはそれは嫌〜な時代だったんですね。
で、芸能界でこの赤狩りに加担して大成した人にはエリア・カザンなんてのがおりますが、あのウォルト・ディズニーもその一人なわけなんです。

エド・ロスさんが果たしてこの「陰湿極まるチクリ大会」が吹き荒れるアメリカに大してムカついて中指立てる意味でこのラットフィンクをディズニーやマッカーシズム支持者へのあてつけとして創造したかは定かではありませんが、エド・ロスさんの名字「Roth」はドイツ語で「赤」の意味で英語に直すと「Edward Red」みたいな感じになって「アカ(Roth)をチクる告げ口野郎(Ratfink)」という具合にキッチリあてつけとしての機能を果たしてるわけなんですな。

こういう風にアメリカのサブカルチャーには大概世相に対しての痛烈な皮肉が込められてたりする(すいません、上のネタは本当は今さっき思い付きました)んでそういうところも見逃さずにチェックしてください。

牙を磨いてこそのサブカルチャーなんすよ、ええ。


追記

「牙を磨く」ではなく「牙を研ぐ」が正しい日本語でした。磨くだと歯ブラシでキレイにするだけの意味になるんだって。