パクリの本場はこちら

というわけでファンキーな「ロック」をやらすと世界中で右に出る人がいないスティービー・サラスの兄貴です。
ロックの中にファンクのリズムを取り入れしなやかさと野太さを併せ持つ独特のグルーブ感は唯一無二のものであります。

この人80年代後半くらいからスタジオミュージシャンとして腕を磨きいよいよバンドを組んでメジャーデビューを目指したのが90年前後のことでございます。

ただ一つネックがございました。この方ネイティブ・アメリカンの血を引いておるんです。
アメリカのロック界というのが日本人とネイティブアメリカンがメンバーにいるバンドは基本的にメジャーで扱わない(途中参加ならOK)という不文律がございまして、しょうがないからジミ・ヘンドリックスにならってUKで契約してくれるレコード会社をさがすことに。

んで、UKでもほとんどのメジャーの会社をあたるも団塊Jr世代の就職活動並に不採用の嵐、結局レゲエでお馴染みアイランド・レコードと契約してデビューするもロクにサポートを受けられずに鳴かず飛ばずだったんですが・・・

この人、アメリカ西海岸のサンディエゴという街のご出身なんです。
サンディエゴといえば日系人がたくさんいて日本文化も浸透してるので有名な場所なんで日本人は親近感を持ってスティービー兄貴を熱烈大歓迎。半端じゃないギターのテクも日本のミュージシャンを唸らせB’Z松本孝弘などがこぞってこの人と交流を持ったりします。
このようにビジネス面で冷や飯を食ったスティービー兄貴ですが心強い仲間(ファンク界の重鎮ブーツィ−・コリンズからメタル界の重鎮ザック・ワイルドまで本当に交流が広い)に支えられ順調にキャリアを積んでいったある日、UKからこんなバンドがデビューしました。クーラ・シェイカーです。

ティービー兄貴の信条であるファンキーなリズムとロックのダイナミズムの合体したサウンド金髪碧眼のホワイトボーイにやらしたパクりバンドをUKのレコード会社はデビューさせたのです!!!
ティービー兄貴が数年前に持ってきたデモテープを聴いたレコード会社の人たちはスティービー兄貴との契約を断った直後「このテープに入っとるような演奏するバンド探してこい!おらんかったら今から作れ!!」と指令を出していたのです。ネイティブ・アメリカンのあんちゃんのバンドをデビューさせるより同じことをホワイトボーイにやらした方が会社としてローリスクというわけです。

こんな卑劣なことをされてもわれらがスティービー兄貴はめげるどころかフジロックに出演するなど大活躍し、ついには日本以外の国にも注目され(UK以外の)ヨーロッパでも人気が出るようになりました。

それでおもしろくないのはUKのロック・ビジネス業界で飯食ってる連中でした。自分らの伺い知れないところで人気者ができて(しかも自分らが一度契約断った相手)世界中に名が知れるようになるのはUKのロック利権が崩壊しかねない危機だからです。(注;これはあくまで情報の送り手側の話であってUKのロックファン自体は良くも悪くもどこにも負けず「外タレ(どこの国でも)」に対してミーハーなんだそうです)

というわけでUKの音楽雑誌はいろいろとスティービー兄貴の悪評を書いたり興業を邪魔したりといろいろやったようですが、めげずに頑張るスティービー兄貴に当ブログは拍手を送りたいと思います。

そして、契約において差別はするわ、パクリはするわ、あげくにそれでもめげずに芽を出したら嫌がらせはするわのやりたい放題のUK音楽業界の連中は


地位と名誉と財産を失い

友人からも家族からも見放され

泣きながら自らの頭を吹っ飛ばす日が一日も早く来てくれることを僕は毎日祈ってます。


ついでに、この人が日本で活躍したからかどうか知らないんですが、90年代にかけて日本のロックバンドのギターサウンドのレコーディング技術って格段に向上してるんですよね(ギタリストのテクも)音作りに関しちゃ世界トップレベルの兄貴に再度感謝ですな。