検証チャールトン・ヘストン

え〜と、マイケル・ムーア監督の出世の踏み台にされた感のあるチャールトン・ヘストンさんなんですけども、ムーア監督の手にかかるとレイシストみたいに扱われる御大は実は公民権運動を応援するハリウッドセレブとしてかつては有名でした。

ハリウッドの不良番長ことマーロン・ブランドの舎弟として公民権運動では山城新伍ばりのナイスアシストを見せた御大はのちに全米ライフル協会の会長になるんですね。んで、そのことを指摘されて「保守主義に転向した」と称されるんです。

これには僕も落胆しましたし、「パッチギ!」の井筒監督などは「あんなオッサンの人生に功績なんかない」とボロクソにけなしておりました。

しかし、この全米ライフル協会(以下:NRA)について非常に気になるお話を耳にはさんでからはこの人を見る目が若干変わったんです。

で、そのお話に入る前にNRAの理念はアメリカの憲法修正第2条にうたわれている「武装の権利」をひたすら遵守ことなんですね。
第1条で個人の自由にたいして最大限の尊重をする旨を著しておいて次にはそれを守る権利を与えるとしているのですが、これがですね、武器を向ける相手というのが「公権力」なんですよ。(注:法解釈は専門家によるものを参照してくださいね)


危険から身を守るってのは法律以前に自然の法則なわけでその手段の一つが銃ってだけで「身を守るのには必ず銃が必要」ってのはそもそも最初から論理がおかしいわけですね。例えば水虫から身を守るのに必要なのは銃でなくて抗生物質なわけですから。

まず相手が公権力と定義した上で武装の権利をうたっているんです。NRAはこの権利を守ることで憲法にうたわれる民主主義を実現しようというわけなんでしょうね。こう解釈するとなんか公民権運動してた時と考えがブレてないような気がしてきますよね。

しかし、そんなNRAですが、どういうわけか銃規制派が存在します。

どっかの州知事選挙だったかでガチNRAの会員の候補に対してNRA側はですね、応援するどころか「対戦相手(マイノリティから銃所持権を奪うことを奨励する規制派)を勝たせたいから選挙から降りろ」との指示が来たんだそうで。

ここらへんからマイケル・ムーアが指摘するNRAのあやしい部分がふくれあがってガマン汁が出そうな勢いなんですが、こういう考えは上記の理由からチャールトン御大の思想とは相反するわけで、もし御大の前で不用意にそんなこと(マイノリティに対する銃規制)口走ったらその場で射殺でしょう。

だって、マイノリティ人種を敵視して武装するのは本人の勝手ですが相手に武装の権利を与えないのはフェアじゃないし、そもそも相手の戦力がわかってたら無理してより強い武器を買い揃える必要が無くなるから銃作ってる会社は商売あがったりですわ。もちろん僕が銃作ってる会社の社長だったらそんなこと言う奴は射殺です。完全銃規制だったら(お客が警官や軍人に限られて)銃の発注数がわかるからそれに合わせて商売すればしのげるんですけどね。

以下は僕が考えた陰謀論ってだけなんですが、

御大はNRAのそういうろくでなしどもの存在に薄々気づきだし→同じくNRAの同志ジョン・ミリアスあたりに相談をもちかけ→自らが公の場でやりこめられることでこのろくでなしどもの悪行を世間に晒し連中を抑え込むというアングルを企画→そこでやりこめる側の役で白羽の矢をたてたのがマイケル・ムーアだった

というのはどうなんだろう?なんて思うわけです。どうも「ボウリング・フォー・コロンバイン」はなんで話がNRAに行ってしまうんだろう?とか妙に取材がスムーズに行き過ぎっぽかったりとか怪しいとこたくさんあったし。


というわけでみなさん、休日はバス釣りやドライブもいいけど銃のお手入れもお忘れなく。
銃のグリスアップしてるときにたまにでいいからチャールトン御大の偉業も思い出してくださいね。


っていうか日本で銃持ったら違法ですな。