拷問映画傑作選

’00年代の映画界の潮流として「拷問映画」の台頭というのがございます。

なんといいましょうかねぇ、僕自身このジャンルが苦手というか、イジメとかでトラウマ(僕の場合は教師によるものだけど)を持ってる人間には絶対受け付けないジャンルなんじゃなかろうかと思うわけですよ。さすがにこの手の映画はポルノの中の一ジャンル扱いでいいんではないかと思いますね。

まぁでもそんな中でもキラリと光るセンスがあるものを持った作品もございますのでご紹介します。
なお、有名すぎる「SAW」「ホステル」「変態村」などは割愛してますんで念のためおことわりしておきます。


あ、これ90年代の映画かぁ・・・、肉体的にどうこう言うシーンがない代わりに精神的に「自由に考えることを禁止させる」というのが強調されてまして、これは教師が生徒に行う暴力の最たるものなんで、これを参考に「私ってもしかして拷問受けてる?」って思ったら判断の基準にしていただきたい映画ですね。

アメリカのホラー映画のパロディ」というコンセプトで真面目なドラマを作る人だったはずのドイツの監督ミヒャエル・ハネケが作った極悪拷問映画「ファニー・ゲーム」。殺す側が観客をアジるなどの悪趣味すぎる演出が冴え渡ってて巨匠ヴィム・ヴェんダースが途中退出した(トイレに行きたかったんじゃないの?)とかイギリスで上映禁止運動が起きる(製作者側が仕込んだサクラじゃないんか?)など話題になった一作でした。後にハネケ監督は「ピアニスト」という映画でカンヌで賞もらってます。

で、ハネケ監督、「SAW」や「ホステル」みたいな拷問映画に対するアンチテーゼなのか10年近く経ってアメリカ版まで作ってしまうんよね。
製作者側の要望なのかユダヤ人のティム・ロスナオミ・ワッツがやられる側で金髪碧眼の「脱皮したての人」みたいなのが殺す側になってます。どちらの映画もホラー映画に対するアンチテーゼとして作られているのでホラー映画ファンが観たら嫌悪感をもよおすことでしょう。

フランコ政権末期のスペインで不当に死刑を宣告された青年の悲劇を描いた「サルバドールの朝」
なにがなんでも死刑にしようとする政府側と何がなんでも助けようとする家族や弁護士側の攻防を描いてるんですが、スタンリー・キューブリックの「戦場」並に拷問指数が高いです。死刑の拷問性を世に問う一作。

さて、この映画「イングロリアス・バスターズ」をパンフを買わずに俳優陣の知識なく観て「ほんとドイツ人ってキモい人ばっかりね〜」とか言ってる人間がもしいたら、その人に対して別の意味で拷問になるんですね。

主演のスペインのイケメン青年活動家を演じてるのが「イングロ〜」でキンモいドイツ軍の英雄さんを演じてたダニエル・ブリュールくん。そう、この人本当はスペイン人らしいんだね。

というわけで、次回は「特定の人には拷問」な映画というテーマで何か書きます。