見苦しい

昨年からですね、イスラエルの行ったガザ攻撃で千人以上が死亡するといういたましい出来事がございまして、明らかに戦争犯罪である、ということでイスラエル政府は糾弾されているわけなんですがイスラエルツーカーのハリウッド界隈ではこの出来事の前後にナチス時代のドイツが舞台の映画がたくさん作られたり絶対シネコンでの上映がありえないであろうはずのお堅いドイツ映画「ヒトラーの贋札」なんて映画が普通にシネコンで上映されたり、ハリウッドの方々同様にイスラエルツーカーのドイツ人監督のヴェルナー・ヘルツォークが知らない間に70代を越えてるのにハリウッドデビューしたりとおかしい状況になってきてたと思ってたら前からその存在がささやかれてたタランティーノの新作「イングロリアス・バスターズ」がその全貌を現したんですね。なんとこれまた「ナチス糾弾、しかもいいもんはユダヤ人ばっか」というイスラエルが後押ししたとしか思えない映画だったんですわ。な〜んかこういう状況ではガザ攻撃を糾弾する空気ではないですわな。

だってあの映画見て事情知らない人だったら(イスラエル人が嫌がるホロコーストで殺されまくるユダヤ人のシーンは無し、だって「弱い俺たち」を見るのは彼らにとって一番の苦痛だから)ユダヤ人=絶対正義 反ユダヤ=殺されてもいい人 っていう図式しか頭に浮かばんもん。イスラエルから見たらイーライ・ロスタランティーノ様様でしょうな。

この映画を知ったのが去年の夏で思わずすっころんだんですが考えようによっては「必死だなwイスラエル」って感じも垣間見えるし「さすがにこんな映画は日本では扱い低いだろう、村上春樹もガツンと物申したばっかだし」と思ってたらはてな映画秘宝界隈だけでは必死のパッチで大宣伝して大ヒット祈願してる有様でこれまたすっころんでしまいましたよ。

まぁね、僕も人のやることにケチつけるタイプの人間ではないし、「イスラエルと関係ねぇ(←これは絶対にない)」とか思うのも勝手だし「俺はタランティーノの映画が好きなだけなんだから後のことなんか知らねーよ」というようなこと言われたら何も言い返せないですよ。「俺はイスラエルが正しいと思ってる」というのも個人の意見として尊重しますよ。ただし世間からアホやと思われるけどね。




しかし、だ

イングロリアス・バスターズ」を礼賛する手合の中には上のような主張する人間一人もいないようですorz

あれがこうやのこれがこうやの言うて、自分が正しい、アホやないゆうのを主張するばっかで「どう思われようが知ったことか」と自身の主張というか信念を貫く姿勢持っとるやつがおらん。
言うたら悪いけどこういう人たちは今さら別にパレスチナ人に同情してアレコレ主張せんでええと思う。どうせこんな連中が味方についたって役に立たへんのやから。



ちなみに僕の場合はというとですね。去年の夏に「イングロ」の全貌を知って「今回ばかりはタランティーノあかんな」と踏んで早い段階で応援しないことを決め込んでたんですわ。いくらなんでもガザ攻撃の直後にこんな映画作るってのは魂胆バレバレやからね。
というわけで今回はナオミ・クライン姉御みたいなやり手の「イスラエル糾弾派のユダヤ人」の威光の後ろに隠れてやり過ごした方が賢明やと思いました(笑

どんな時でも強い者、勝てる方につくのが僕の信念です。負け犬は惨めに吠えてなさい。