熱風姉御祭り5
今回は女優さんでなく映画をご紹介します。
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映画の冒頭で、金持ちのお坊ちゃんだけを相手にする主人公の2人の娼婦が客船に乗っているシーンからはじまります。
後に中国共産党が台頭して、主人公たちはドンドン落ちぶれるのですが、この頃はまだ羽振りがよく、派手な服を着込み、しゃれた化粧をして、貧乏人には何があっても指一本触れさせないような、いかにもプライドの高そうな女といった感じです。
2人のうち、姉御分の女が停泊所で、あるものを買います。
焼き芋です。
ビックリしました!
だって、ものすごいプライドの高そうなオネエチャンたちがいきなり、焼き芋を買ってきて船内のひとに見られてもしょうがないようなところで食べ出すんですから!
まあ、文化に違いがあるのでOKなんですが、その焼き芋を食べる仕草がまた高慢ちきで最高でした。
ここまで高慢ちきで世の中を舐めきってる女性は逆に応援したくなりました。
それにしても最近はこういう文芸作品を観てないな・・・・
そしてもう一本
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これは一時、新聞や雑誌でもてはやされたのでご存知の方も多いでしょう。
脱獄女囚のロックバンドが逃亡しながらゲリラライブを繰り返し、人気者に・・・・
というストーリーなんですが、ドイツ映画にありがちな展開で、最後の方がシュールになり過ぎて評価が分かれてしまいました。
個人的には女性ならではの苦しみや焦り、そしてそこから女同士の友情に目覚めて人生で本当に大切なものをメンバーが見つけていく様が非常に感動的でした、右肩アガリの今時の女性に是非観て欲しい、というか、縛り付けて目を閉じられないようにして無理やり見せてやりたいくらい鋭い人生観を示した作品です。
で、この映画のラストシーン(ネタバレになるから具体的には述べません)についての補足を書いておきます。
女囚ロックバンド「バンディッツ」が最後に目指す、場所、南米のガイアナというところですが、そこはかつてフランスの流刑地で(フランス読みでギュイヤーヌ)、一度行ったら二度と帰ることが出来ない場所でした。この映画の舞台にもなってます。
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(微妙に場所がずれてますが まあほぼ間違いないでしょう)
ここはフランスの文豪ジャン・ジュネが「悪党どもの約束の地」と称して、悪事を繰り返した者はその功績に相応しい悪のパラダイスに行くことができるということで、理想郷として描かれた場所です。
普通の人とは全く違う価値観を持った悪党には流刑地はパラダイスととらえられるのです。
だから、この映画で、バンディッツがガイアナに高飛びするのは非常にキツイ皮肉なのです。
悪党の彼女達に待っていたのは物質的な豊かさではなく、みんなに愛されるという善意の恩恵でもなく、悲しい悪党の運命であり、みんなで力を合わしてそこに向かうこと、そして悪党としての本分をまっとうすることにのみ彼女達の人生の意義があったわけです。
ここら辺の気持ちがイマイチ現代女性には理解できるかな?と思いました。
でも、若い女性がこの映画を観て、映画の中のバンディッツと同じ年代になった時、人生について自分なりの答えが出来てくるんではないだろうか?
そして、その答えをさがすことで、人生が、歳をとることが楽しくなるのではないだろうか?
なんて、深く思ったりします。
でも、犯罪はだめですよ。