神様はツライ2

前回の続きです。

なんでいきなりこんなエントリーをし出したかというと、今年は僕の祖母の10回忌にあたるんです。

その祖母が生涯ぶっちぎりのワースト・ワンに挙げた映画がコレです。

パリ、テキサス [DVD]

パリ、テキサス [DVD]

監督はモチロン ヴィム・ヴェンダース

ワーストワンの理由:主人公の行動が異様に後ろ向き。登場人物の苦悩が貧困に根ざしてない。音楽が暗すぎ(大正生まれだからブルースを理解できない!)

で、この映画の主人公なんですけど、わけあって一家離散してるんですけど、家族を探しあてようと(過去に戻ろうと)荒野を探し求めます。そして息子、妻を探し当てると、妻子を一緒にさせて、自分は自らの原点、かつて父と母が自分を仕込んだ土地、パリ・テキサスに旅立つんです。

自分の存在を過去に遡って限りなくゼロに戻そうとしてるんですね。この人。

でも、妻は子供を産んでいる、一人身になった妻は風俗で働いている。決して過去を遡ってゼロには戻れないんですね。
どうも、ヴェンダースさんの中での「神」というのは「過去」というか「歴史」なんではないかという気がしてきます。

既に存在はしないけど現在に影響を与えている、といったところか。

その歴史(神)に組み込まれた登場人物はその性質上か重さに耐えかねてか限りなく自らをゼロへと持っていこうとする。

それが不可能であるとしても・・・・・・



う〜〜ん、なんか文章が大場正明先生みたいになってきたんでこの辺で止めておきます。

信心深かった祖母を思い出したので今回は神について書きました。


世界を透明にする能力で全てを見ようとする者と。

自らを透明にして見ることのできない存在になろうとする者。


「神」に近いのはどっちなんだろう?とか思いました。