眠た〜〜〜

またしてもミュンヘンについて書きます。


そろそろ皆さんご覧になった方の評がネットでもチラホラ見かけるようになったんですが みんなが何故かあまり気にしない(というか僕しか気にしない)部分について


え〜〜っと、物語の中盤、小さな町工場(同族企業)の事務員一同みたいなたたずまいのモサドチームがパレスチナの若者たちとばったり遭遇して議論するシーン

主人公の専務アヴナーにパレスチナの若者がPLOは云々、イスラエルは云々、祖国とは云々と延々と講釈たれるんですね。
その話の内容はとりたてて真新しいことはなく、はっきり言って映画の展開とはつながりがありません。

しかし

それを聞いたアヴナーの表情に注目してほしい。
無言ながらも(一瞬)目つきと表情でこう伝えているんです。

「眠た〜〜〜、コイツ」

(注:関西では「アホくさい」「理屈っぽくてつまらない」「スジが通っていない」話を「眠たい」と表現します)

「言いたいことはわかるんだけど・・・・でもそんな話聞きたかないよ。」って感じでしょうか?


実は本当にこのシーンで眠たくなってました。あまりにもセリフがつまらなかったんで。


しかし、どうやらこれも監督の意図してたことのようで、最後の方でも今度はモサドの上官がアヴナーにイスラエルの、ユダヤの、祖国の「眠たい話」をしだし、アヴナーが「もうええっちゅうねん!」となるシーンがありました。

セリフに頼るのを嫌い、どんなに素晴らしい脚本を渡されてもその持ち味を完璧に殺して自分の味しか出さないスピルバーグ監督らしい「言葉ぢゃないんだよ、言葉ぢゃ!」というメッセージだったのか・・・・

はたまた、80年代にアホな企画を渡された時の「こんな企画なんかジョー・ダOテにでもフッときゃいいや、アホくさ!」という思い出を表現したのか・・・・



そして

モサドチームがパレスチナ人とラジオのチャンネル争いになって最後にお互い合意するシーン。
オリンピックでは結局殺し合いにしかならなかった、ということへの痛烈な皮肉なのかな?と思ったりします。

「スポーツやったぐらいで世界が平和になったりするわけね〜だろ、バカ!」

って感じで。
あっ、これは運動ができない僕の単なる妬みかな?