志穂美・ナイトレイ
え〜、しつこくこの映画について書こうと思います。
といいますのも、最近僕が遊びに行った地域というのがですね、昔は海賊というか船を利用した略奪行為を行ってた連中が住んでたとこばっかりなんですよ。
大体、「なんとか商人」とかいう商人がいるところというのは大概 物流に便利な川や海や湖に囲まれたところが多いんですが、よくよく調べると「なんとか商人」の正体というのが、時の権力から商業権をいただいて廃業した海賊であるケースがよくあるんです。
というわけで水の都大阪とか琵琶湖のある滋賀なんてのは典型的なそういう人たちの住処だったわけなんですね。
さて、映画の方なんですが、この映画のヒロインのキーラ・ナイトレイ扮するエリザベスという女性。英国の上流階級の生まれでカリブ海の英国領を治める総督の元フィアンセだったところをオーランド・ブルームといい仲になってしまい、オーランドのピンチにいてもたってもいられなくなって彼を追って船に密航(その時、貴婦人が着るドレスを脱ぎ捨てるという象徴的なシーンあり)そして、愛する人と多くのクルーを助けるために不本意ながらジョニー・デップをかどわかして海の魔物の餌食にしてしまうという、「常にみんなの利益を考える」お姫様的というか政治家的な一面を見せてくれます。
(政治家的であると同時に仲間を守ろうとする母性の強さも感じさせてくれる)
そして、今度は自分の父親が東インド会社の魔の手にかかって暗殺されているのを知り、激昂。
「落とし前はつけさせちゃる!!」とばかりにシンガポールの海賊にアプローチしてまんまと自分が海賊のキャプテンになってしまうんですね。
(そして海賊会議でキース・リチャーズの前で重信房子ばりの演説をする!)
どうもこの話の展開とか「純粋な乙女から徐々におんなの本性むき出し!」な演出とかがこの映画を思い出さしてくれるんですよ。
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ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長もなんだか「犬死にせしもの」の真田広之みたいなキャラだし、おどけた展開がいかにもだし、どうしても「パイレーツ〜」は井筒和幸監督の作品を何本か参考に作ったように見えてしまいますよ。
(キーラ嬢の眉毛の濃さ加減も志穂美悦っちゃんのそれと一緒)
ま、それは考えすぎにしても、井筒監督がこだわってるわりにあまり多くの人に理解されない「少女から(いろんな意味での)女への外見ではない中身の変化」が全く井筒さんとは縁のなさそうなディズニーの映画で描かれてて、なんとも奇妙な感じでした。