東宝裁判

え〜、話題の映画「ジャンゴ」ですが、黒澤明の「用心棒」を下敷きにしてるようですな。

黒澤、用心棒といえば東宝の作品なんですが、東宝イズムを東映(でしたよね?)がいかに消化するかがキモの作品って感じです。

さて、用心棒といえば確か大元はダシール・ハメットの作品だったと思うんですが。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A8%E5%BF%83%E6%A3%92

ダシール・ハメットといえばアメリカのハードボイルドの大家であるが50年代に赤狩りにあい断筆した不遇の作家です。

自らの信念に従いイデオロギーに振り回されず任侠道を貫いて探偵業を追われ、作家になってからは「アカ」のレッテルを貼られたハメットの悲劇は「用心棒」の中の哀れな親子を救うために危険を冒し、結局裏切り者として拷問にあう三船敏郎に投影されている(ように見える)んですが、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E5%B9%B4%E6%9D%B1%E4%B8%80

それにもう一人用心棒のモデルになった人物がおそらくこの人でしょう。(「爆弾マッチ手首切り落とし事件」とストーリーで似通ったところがある)

なにしろこの人

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%AE%9D%E4%BA%89%E8%AD%B0


この事件にも関与してるしね。




それはそうと、

東宝といえば関西では阪急電鉄とつながりがあり、映画撮影中のスタッフ、キャストのアシは阪急タクシーだったりします。(昔元阪急タクシーの運ちゃんから黒澤映画の撮影を間近で見れたという自慢話をよく聞いた)
で、阪急といえば宝塚歌劇とつながりがあったり、山の手のリッチな人たちがいそうなところにしか駅を作らない(実際はそんなことはないですけどね)というようなイメージのある「鼻持ちならん会社」
だったりします。

それに対して、(話は最初に戻って)東映はと申しますとですね、テレ朝とつながってるのはイイとして、どういうわけか沿線に二階建て以上の建物を見つけるのが難しいと言われてて(これもそんなことはないけど)京都好きの人からは「そこは京都やない、(汚いから)大阪や」と毛嫌いされる京都のダークサイドばっかりに駅がある京阪電車とつながってたり、宝塚歌劇みたいな高級なのとは縁がなくて「ひらパー」という、かつてのエキスポランドと並ぶ庶民の遊園地と非常に密につながってたり、と本当にトホホな感じなんですよ。


で、先頃の「グラインドハウス」は難波の東宝系のシネコンで見たワケなんですが、映画がはじまるや、キレイでオシャレなシネコンがたちどこに「新世界東映」に変貌してしまってビックリ!という感動を味合わしてくれて、まるで「東映東宝をF@CKした」かのような快感を与えてくれたわけなんですよ。
で、阪急梅田駅で宝塚の大物女優さんらしき人に思いっきり睨まれた経験のある僕としては「ジャンゴ」にもそれと同じものを期待してやまなかったりするわけです。

最近じゃ、持ち前のアイドル路線にCX系ドラマの映画化、警察とのタイアップとろくでもない映画ばっか(もちろんそれだけではないですけど)作ってくれる東宝


どうかこの「F@CK東宝」路線が来年あたり邦画のトレンドにならないものかと一映画ファンとして願ってやみません。