春樹三十郎

もうすぐ公開の椿三十郎のリメイクですが・・

僕の想像なんですがこの黒澤映画リメイクには多分こんな理由があると思うんです。

黒澤レジームからの脱却

つまり、このリメイクが成功、ヒットしたら

「黒澤本人じゃなくても黒澤映画は撮れる!」

となって黒澤神話は崩壊する、そしてヒットせずに失敗となったら

「やっぱり天下の黒澤映画も21世紀になったら古臭いな。新しいものを作る必要がある」

となってやはり黒澤神話は崩壊してしまうんです。


やはり黒澤明ほどの大物を輩出してしまうとその後の影響力がすごいので日本映画全体にプレッシャーもかかるし、世界レベルで見るとその後の日本映画の評価も芳しくなく興行成績も減退してきてました。(もちろんテレビの普及というのが一番の原因ですけど)

主人公の椿三十郎という男、武芸を尊び落ちぶれてもコンプライアンス精神を忘れない武士の鑑のような男ながら出世に縁がなく素浪人の身でもうすぐ40を迎える中年侍なわけですが、これって黒澤映画ばかりが評価されてそれ以外の映画に対する評価が厳しくなって業界自体が廃れて行って年季ばかりが入ってきた現在の日本映画を象徴してるんぢゃないか?と思ってしまうんです。

恐らく製作に関わった春樹たんは「椿」=「春と木」=「春樹」というオレイズムの他にも日本映画を再興させようとするこういった戦略もあって、あえてリメイクにのぞんだんだと勝手に思ってしまうわけです。



と、ここまで書いといてアレですが、僕はこの映画観に行く予定は今のところないです。