モビルスーツたちの大和

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

え〜、観るまでの覚悟を決めるのに2年間を要した角川(春樹)映画の珍作「男たちの大和」でございます。


この映画は角川春樹が「機動戦士ガンダム」へのオマージュとして作った作品でございまして・・・

とにかく出てくるヤツらがどいつもこいつもモビルスーツ顔!



まず反町アニキについて書いておきますと、この方プライベートではまるで大河原邦男がデザインしたかと思うようなカスタム・ハーレーを愛車としてる人でして、ご自身のお顔も黒光りしたガンダム、と言った感じです。

そして中村の獅童アニキですが、坊主頭にした彼のお顔は誰が見てもザクそのものです。

獅童アニキが途中で片目を負傷して隻眼になるという展開(つまり「モノアイ」になる)はそういうことか・・と妙に納得してしまいましたよ。

最初の方の看板で反町、獅童両アニキが柔道対決するシーンなんてもう「させるか〜!」という古谷徹の声が聞こえてきそうでしたね、ええ。

おまけに主演の松山ケンイチクンなどはギャンをくどくしたような顔だし、それを言い出すと勝野洋ゲルググみたいだし、蒼井優なんかキレイな女優ちゃんなのにジオングに見えてくるわけですよ。

角川映画といやぁ、「野生の証明」の高倉健、「戦国自衛隊」の千葉真一夏八木勲、「伊賀忍法帖」の真田広之とクドいキャスティングでは定評があったんですが、今回はクドさの方向性がモビルスーツに行っちゃいますか?と、時代の流れを感じつつ観てしまったんですけどね。


しかし、まぁ映画の本編自体はとてもじゃないですが感情移入して観たら悶絶してしまうんぢゃないだろうか?と思うくらい悲惨!悲惨!悲惨!なお話なんですな。(現実はもっと悲惨なんだけど)

「一応エンターテインメントなんだからそれはなかろう・・」というくらい救いのないストーリー展開(ここらへんも富野イズムか?)なんですが、この映画の場合はキャスティグが尋常ぢゃなくクドくて、観客の感情移入を一切はねのけるヘンなオーラをキャストほぼ全員が放ってるんですわ。

本来だったらこのクドさはマイナスに作用するはずなんですがこの映画に関しては奇跡的にプラスに作用してて、悲惨なストーリーの負担を軽減してくれてるんで、最近この手の悲惨すぎる展開の映画が苦手になってきた僕でもどうにか最後まで観る事ができました。





オマケというか余談になりますが、世界最大級の戦艦大和ではありますが、設計当初からその横幅の広さからくる水進速度の遅さが海軍の間では指摘されていたそうでして、早すぎたメタボリック症候群といった感じの軍艦だったそうです。

つまり大和の存在というのは最初から日本海軍の負の遺産だったわけですな。