呼ばれてないけど一筆献上

見てきましたよ「HOT FUZZ」

確かに面白かった。

「カタ破り」と言う言葉も決まり文句になってる昨今ではありますが、これこそまさにカタ破りな映画です。だって有名な映画のオマージュのシーン以外普通にシネコンでしか映画見ない人たちとの接点ないんすもん。

で、内容なんすけど、「なるほどビデオスルーになったのはこういうわけか・・・」と納得してしまうようなシリアスな面を含む内容なんですね。僕が別のブログの方であれこれと書いてる「サバービア」とか田舎とかの問題ってのを僕以上に辛辣に叩いてる。

これじゃ、どっかの郊外のシネコンとかで上映したら見にきたお客さんたちに冷水浴びせることになりかねないような事態になっちゃいますよ。

ついでに書いとくと、僕は某酒鬼薔薇くんの事件の直前、現場となった街にちょっと住んでて、その後某宅間さんの事件の前後に仕事で現場付近に行くことが多かったんですよ。

で、この二つの現場に共通してる特徴ってのが「街並みが整然とされててキレイ(すぎる)」ってのがありまして、後者の某横田さんのところはもともと下町風情があったのを無理やりにキレイキレイして隣の市(セレブ御用達の高級住宅地)に生きそびれた「それほどじゃないけどお金持ちな人たち」を呼び込もうとしてたんですよ。

僕なんかは下町風情の好きな人間なんでこの都市計画に大反対なんですが、どうやら上のお二方もこの「整然とされた世界」に対する憎悪の念が犯行の動機になったと思ってるんです。

というわけでそういう自分の住んでる環境への憎悪というのをこれでもか!と映画としてぶちまけることによって、ひょっとしたらそういう憎悪が鬱積するのを防いでくれて、第2、第3の「郊外型殺人事件」が起きるのを防いだんではないか?なんて思ってしまう次第です。



あと、細かいとこなんですが、ちょっとだけマイケル・マン監督によるハンニバル・レクターものの失敗作「刑事グラハム(レッド・ドラゴン)」へのオマージュが入ってるんですよ。これにはまいった。マニアックすぎる。