ダークナイトの真実

え〜、今年2008年を振り返りまして、どうもなんだかんだでこの映画について書いてなかった重要なお話があったのでそれについて書こうと思いますがその前に

この映画なんですが、主人公のレイフ・ファインズさんが「ダメ男形」の家元であらせられるということで、アフリカの困った人たちを見ても知らんぷりの英国大使館員の役なんですね。基本的にガーデニングに夢中で引き篭もりがちというか。

で、この映画はそういう「世間で何がおころうが知ったこっちゃない」という態度を厳しく糾弾してるんですが、ちょっと待て。


アフリカ(この映画ではケニアね)の貧困は何もこの人が引き起こしたワケじゃないし、貧しい人たちを見下したりもしないし、何より映画を見れば分かるとおり

自分の行動に対して無責任では決してない。

昔、第2次世界大戦中に東南アジア方面で英国軍の捕虜になったことがあるという人の話によると英国軍人というのが概ねこの映画のレイフ・ファインズみたいな感じでおっとりしててやさしいだけが取り柄の感じだったらしいんですが、そういう人柄になるのもちゃんと歴史があって、英国が長年行った植民地政策が19世紀後半あたりから行き詰まって、「もう、よその土地で横柄な態度をするのはよそう、全てを現地人におまかせして自分たちの領域だけに引き篭もろう」という風潮が生まれたわけです。

よってこの映画の主人公の現地の人たちに対する冷たい態度も本来は道徳的で温厚な性格が故であって悪意はないし害もない。一見だらしがないように見えるかもしれないけれども何と言われようと「小さな親切大きなお世話」になるのを回避する現地の人たちの自主性を重んじればこその大人の態度なんですな。


まぁ、そういう内容の映画ではないけれど糾弾するんならさらに最適なロクデナシ連中がアフリカには仰山いてるんですわ。同じ英国人でもね。(サッチャーの息子とか)真面目でやさしい人間を「何もしなかったから」とケチつけてはイカンのです。
(何べんも書くけれどそういう主旨の映画じゃないですから)



あれっ?「ダークナイト」について書こうと思ったら全く別の映画の話になってしまった!
というわけで今回を伏線にして次回に続きます。