約束の地

本当にやっちゃいました!日本版の「ノッキン・オン・ヘブンズドア」!!


正直オリジナルの独特の世界観を崩してしまってるのであまり期待はできないんですが、2ちゃんでスレがたつくらいの人気があって名画の殿堂入りを果たした感があるオリジナルに対するリスペクトが感じられてる企画自体がいいですね。

個人的に「ママにキャデラックをプレゼントするんだ」っていう台詞がお気に入りなんでこれをどうにか挿入してくださればありがたいんですがね。


そんな「ヘブンズドア」の公開を記念してこの作品を紹介します。

バンディッツ [DVD]

バンディッツ [DVD]

「ノッキン〜」と同時期に公開されて話題になったドイツの映画、実は同じ時期に「UKスタイリッシュマンセ〜(バカ)」な「ベルベット・ゴールドマイン」っていう映画も公開されたんですが、近所のTSUTAYAさんのレンタル頻度を見る限りこのバンディッツの方がはるかにヒットしてましたね。車以外では日本人にあまり馴染みのない国ドイツがマスメディア大国UKをファックした瞬間でした。映画の内容もさることながらまさに「ロッケンロール!!」と叫びたくなる出来事だったのでよく覚えておりますよ。ええ。
(前年には「スポーン」のサントラでUKテクノ勢がドイツのアタリ・ティーネイジ・ライオットにコテンパンにやられて全員失脚したりと、この時期は実に痛快な時代でした、まぁこんな感じでEUがUKをノックアウトした結果UKはブッシュ政権に助けを求めて擦り寄って「テロとの戦い」期を生んでしまうんですが)

で、この映画の内容なんですが女囚4人からなるロックバンド「バンディッツ」が脱獄してレコード会社に自分たちのテープを持ち込んで逃亡中ながら大ヒット、やりたい放題の挙句に彼女らがたどり着くその先とは・・・

というお話なんですが、ここでキーワードになるのが「ガイアナ」という南米の地名です。地図でみるとどうもハッキリしないのですがこの映画で「悪党どもの約束の地」と称されるこの土地はおそらくこれのことかと。

この映画の舞台となるフランス領の流刑地があったとされる「ギュイヤーヌ」のことでしょう。んで、ガイアナ終身刑の罪人がたどり着く流刑地 ということでよろしいかと。

泥棒日記 (新潮文庫)

泥棒日記 (新潮文庫)

かの有名な泥棒詩人のジャン・ジュネ氏によりますと悪徳の限りを尽くし「人類の罪」を背負った者(ジュネさん本人)は約束の地ギュイヤーヌで殉教を果たすんだとか。

殉教とか宗教的なことはともかく道徳と相反する人生を送った4人の女囚が辿り着く約束の地が流刑地だったというのはよくできた話ですな。

ついでに上の「パピヨン」の主演のスティーブ・マックイーンが同じく主演の「ゲッタウェイ」では逃亡中の犯罪者夫婦が辿り着く約束の地「エル・レイの王国」というのが出てきます。

これがまた犯罪者が集まるところなもんでスゴいところなんですよね。



という風にドイツ映画お得意のロードムービーというジャンル以外にもフィルム・ノワールとしても楽しめるバンディッツをご紹介しました。

それでは難病映画の最高峰になるか?「ヘブンズドア」の成功を祈りたいと思います。