DOPEでGO!

え〜、正直今まで書くのをためらっておりましたが、ネタ切れのため書くこととします。この映画「PROMISE 無極」はですね。

「ドープ映画」の最高峰です

なんと言っても主演のチャン・ドンゴン(「ブラザーフッド」は最高によかったな)演じる主人公というのが 異様に動きが素早い(その上3日くらい徹夜したような目つき) という明らかにアッパー系なキャラなんですよ。

続いて女優のセシリア・チャン。もうあの人のスレンダーさは明らかにケミカル痩せですわ。鳥の羽でできた服着てお正月の凧揚げよろしく文字通り「トんじゃう」シーンもうっとりさせてくれます。

とどめは我らがヘンリー・真田御大なんですが、これがいつにもまして「とろ〜ん」としたダウナー系の目つき全開で「パイレーツ・オブ・カリビアン」のハッパ大好き船長ジャック・スパロウに多大な影響を与えた(生死の彼岸をさまようシーンなんかは明らかにドープ系でこの人の影響だったな)ヒロポン中毒の復員兵を演じた「犬死にせしもの」以来の怪演でした。

監督のチェン・カイコーさんもこれまでのキャリアをひっくり返さんばかりの暴走ぶり(LSD使用)で、総天然色のサイケテイスト全開の色調といい、過去がフラッシュバックされる演出とか「ハンター・S・トンプソンが中国でハリー・ポッター風のファンタジー映画撮ったらこんな感じ」っていう感想しか出てきませんよ。

カイコー監督っていえばその昔紅衛兵やってて辛い思いでがあって、っていう経歴の人なんですけども この映画を見る限りではサンフランシスコでヒッピーやってた人にしか見えません。はっきり言って。



その他にもカイコー監督の紅衛兵時代から抱える苦悩であるとか日本と韓国のスターを配して両国の非差別部落問題を取り上げてみたり、という社会派のメッセージもあるんですがワーナーさん(でしたよね?)からいただいたビッグバジェットを薬物乱用の素晴らしさを表現するためにのみ使用した感があるんですね。で、この映画以降なんですが、ワーナーさんも最近はアジア進出路線を控えるようになってしまいまして、もうこういう映画は作れないんだろうかと思うと寂しいばかり。

しかし道徳だなんだと堅苦しいばかりだった00年代に風穴開けるような暴走ぶりをみしてくれた「薬物乱用大礼賛映画」である本作とそれを支えたワーナーブラザース(でしたよね?)チェン・カイコー監督、チャンドンゴン兄貴、ヘンリー真田兄貴、セシリア・チャンさんには最高の賛辞を送りたいと思います。