RAF ファック YEAHHH!!
山城新伍の死去なんかですっかり流れてしまいましたが本当は上の映画「バーダー・マインホフ」について8月は書こうとしておったのです。
爆破!!
誘拐!!!
ロックンロール!!!!
とまぁ、「世の中どうせクソなんだから思いっきりファックしちまえ、制服着てるやつらなんかブタなんだからやっちまってOK」みたいな思想の人間からしたらご飯どんぶり飯三杯はかきこめるくらいゴキゲンな連中「RAF」を題材にした映画なんですが、監督がちょっとなぁ・・・ウリ・エーデルって人なんですが、個人的にはこれこそロブ・ゾンビに「デビルズリジェクト」のノリでやって欲しかった。「おまわりぶっ○しまくりでスカっと爽快♪」ってな感覚がないと何故彼らが人気者になれたのかがみんな理解できないわけですしね。
そんなわけで偏見のない目でRAFの連中を理解していただくためにウリ・エーデルさんのクセというかスタンスを検証していきましょうかね。一言で言うと「プロレタリア系保守」って感じですかね。弱者目線だけど左翼に絶対ならないというかね。
80年代初めに作られた「クリスティーネ・F」が彼の初のヒット作ですかね。西ドイツのヤク中の少女の手記を基にその転落を生々しく描いて話題になりました。主題歌はデビッド・ボウイが歌ってます。
ここでお気づきになる方が何人いることでしょうか・・・・
そう、90年代中頃にメディアの喧伝で無理矢理ヒットさせた「トレインスポッティング」とプロット一緒じゃん!(注;どちらの作品も見てません、理由は後で書きます)だって、「トレイン〜」の方もボウイの盟友のイギー・ポップが主題歌歌ってるでしょ?
ええと、これは単純なパクりという類ではありません、類似性には深いわけがございます。
ご存知のように西ドイツはWW2の敗戦国で冷戦構造の中で米英の下厳しいメディア統制が行われておりまして、英国が非常に神経質になったのは西ドイツ製のポルノなどのエクスプロイテーション映画でした。60年代の映画衰退期からもうひたすら「エロ、グロ、ヴァイオレンスの嵐」が映画業界を席巻したそうで、何とかこれを抑えるべく英国映画批評家協会がヴィム・ヴェンダースを祭り上げて「彼みたいになりたかったらモラルに反しない映画を作りなさい」と訴えたりしたわけです。(だから未だにヴェンダース監督はドイツの映画業界では嫌われている、だって事実上の内政干渉だもんな)
んで、次に米英が嫌った西ドイツの文化といえばなんと言っても ドラッグ なわけです。何でかというと社会・共産主義がビールだとするとドラッグは枝豆にあたります。蔓延すると相乗効果で左に国民の思想が傾きます。(反対に右傾化させようとすると今のイギリスや日本のようにギャンブルと宗教を擁護すればいいわけ)体に有害とか犯罪組織の資金源になって、とかいうのは二次的な弊害ですよ。ギャンブルでもセックスでもやりすぎたらドラッグと同様に有害ですよ。んで、なんとかこれを阻止すべく「反ドラッグキャンペーン」のお達しが米英から届いてそれに応えるように作られたのが「クリスティーネ・F」なわけですな。
「トレイン〜」の方も90年代にドイツのベルリンで開かれる北半球最大の音楽(とドラッグの)イベント「ラブ・パレード」に観光客を根こそぎ持ってかれて焦ったエゲレス人が必死のパッチになってこさえた国策映画なわけでして「僕たちだってドラッグやってるよ〜」と宣伝しつつ実態は「ダメ、ゼッタイ!」な映画なんでしょうよ、見てないけどな。
なんぼメディアがアホみたいに宣伝したと言うたかて見る気がおこらんですわ。まともな葉っぱもよう調達でけん国民が何をほざく、って感じですわ。ハハハ。
確かにドラッグは弊害もあるだろうけど、いわゆる体制側は「例え弊害が無くてもダメなものはダメ!」ってスタンスでしょ?明らかに上の理由から禁止してると言えなくないかい?と思うわけでございます。
60年代なんていうセックス・ドラッグ・反体制が世界中で蔓延しまくった時代がございましたが、現在の日本のパチンコのように、
夢中になって子供を炎天下の車の中に置き忘れて熱中症で殺してしまう親が出てくるなんてなことは少なくとも60年代にはありえなかったことでございます。一体どちらが有害かパチスロ利権でウハウハのおまわりさんたちに熟慮していただきたいもんです。
というわけで話がそれたので次回に続きます。次回は「ブルックリン最終出口」についてです。