アクショナーの叫び

【 get bronsoned 】

チャールズ・ブロンソンのようにダンディでかっこよく振る舞うこと。

【 get vandammed 】

ジャン=クロード・ヴァン=ダムのようにセクシーでたくましく振る舞うこと。


というわけで、「その男ヴァンダム」なんです。が、タイトルの「アクショナー」ってなんじゃい?ってことで解説します。
この言葉は「アフリカーナー」と呼ばれるアフリカに移民した(イギリス人以外の)ヨーロッパ人のことから由来してます。
これを基にして「ハリウッドで活躍する英語圏以外の国から来たアクション映画俳優」のことなんですね。古くはチャールズ・ブロンソンアメリカ人だけどロシア系だったので差別を受けていた)だったりブルース・リーだったりドルフ・ラングレンだったりスティーブン・セガールだったりするんですけれど、やっぱ国によって差別とかあるんでしょうね。あまりみなさん大作に出演できないんですよね。

ちなみに「アフリカーナー」というとどうしても「アパルトヘイトしてた連中」っていう偏見があるようなんですが、よ〜く考えてくださいね、南アフリカは元々イギリスの植民地だったでしょ?んで、南アのイギリス人が人種差別してなかったとは言わせませんよ。Wikiでは「全部アフリカーナーが悪いんであってイギリス人は全然悪くないよ〜」ってな感じで書いてあったけど。

んで、このアクショナーの「大作には出れず格下に見られいつも体を張った演技を余儀なくされる」苦悩を扱ったのが「その男〜」なわけなんですが、実際映画を見てみるとそんな深刻な感じでは描かれてなくて「自虐ネタ」というのではなかったです。よくそんな風に評論されるけども。


故郷のベルギーに帰ったヴァンダム兄貴(フランス語喋ってるよ!)が郵便局強盗に巻き込まれて強盗の片棒をかつがされて。。。というお話だってなんとなく無一文になり濡れ衣を着せられる主人公(ヴァンダム)って展開は


フランダースの犬」ぢゃないですか!?


そう、自虐ネタに見せかけて本当はふざけ倒しただけの作品である本作、「ああ、ヴァンダム?みすぼらしいベルギーの負け犬だな。さっさと消えりゃいいのに」という 一部の評論家 のセンセェたちの評価を嘲笑うヴァンダム流のカウンターパンチなわけなんですわ。 


確かにアクショナーたちの映画はスタッフ、キャストともにどこの馬の骨ともわからぬ(失礼)負け犬人種で、そんなやつらがスクリーンの向こうの負け犬どもと傷を舐め合うどうしょうもないクズ共の祭典ととる向きもあるでしょう。(もちろんそういう連中には後でワタクシが心をこめて回し蹴りくらわして前歯全部へし折ってさしあげるけどな)

しかし、そもそも映画というのはそういうものであるし、長ったらしい評論より一発の回し蹴りこそが映画ファンが求めるものであるのも間違いない事実なわけですよ。


経済発展に恵まれず、あるいは資本主義社会の繁栄を享受できない負け犬たち(実に世界人口の90%以上だな)が「アクション」という言葉や育ちに関係のないファクターでスクリーンの中と外を越えて一つになれる。素晴らしいじゃないですか?



そんな素晴らしい映画を作る「アクショナー」とそれを支える「一体どうやってハリウッドまでたどり着いたの?」って思わずにはいられないスタッフ、そしてそれを例え劇場が住んでる町になくてもレンタルビデオ屋さんで熱心に借りるファン。彼らが作り上げる素晴らしい世界には批評は一切不要。ケチつけるやつにはみんなで回し蹴りをくらわせろ!!!