濃い

これを借りるつもりだったのに

間違ってこれを借りてしまった。「初体験 リッジモント・ハイ」

ま、いいか同じショーン・ペン兄貴が出てる映画ってことで一緒一緒(違。

青春映画ということで高校生役が


ショーン・ペン

ジェニファー・ジェイソン=リー

フォレスト・ウィテカー

ジャッジ・ラインホールド

どんな高校なんだよ。
あまりの濃さにくらくらしつつもちょっとショーン・ペン兄貴のファッションをチェックしてみましょう。

ロン毛

長袖の上に半袖*1

VANSの白黒市松模様*2のスリッポン

とまぁ、90年代ならいざ知らず80年代でこれは「ありえねー」恰好なんですな。

どういうことかというとこの映画が作られた80年代初頭はですね、レーガン政権がアメリカで、サッチャー政権がイギリスで誕生して60年代の自由な時代への保守反動が巻き起こった時代なんですよ。ほんで同時期にイタリアでバブルが起こってそれまでお洒落の殿堂だったフランス(60年代に凄まじい学生運動の舞台になった国だ)のファッションシーンをオールドスクールに認定。山伏みたいにおでこに前髪を寄せるパーマ(イタリアンカットと呼ばれてたがイタリア起源かどうか不明)やらとにかく体のシルエットを逆三角形に見せる服やらが流行りだしたんですな。明らかに60年代の”ロン毛””ベルボトム”なんていう「上から下への末広がり正三角形シルエットの強調」への当てつけ以外の何物でもないんですが。

このようにですね、古代ギリシャより現代まで伝わった(キリスト教にも「山上の垂訓」なんて言葉がありますな)美的センスとそれを基本にして発展した服飾美意識がこの時期一気に崩壊してアホみたいなファッションが次から次へと現れたわけなんですが、そんな時代にセンター分けロン毛や長袖の上に半袖なんていう60,70年代テイストのファッションを堂々とみせつけて90年代の芸術復古につなげたショーン・ペン兄貴は服飾文化の救世主として子々孫々まで語りついで然るべき偉人ということになるでしょう。


そんな偉大なペン兄貴ですが、この映画では「葉っぱ大好きで舌足らずだけどとんちが得意な一休さんみたいなサーファー」というわけのわからん役どころでして、ダンスパーティーVWの小っさいバスで乗り付けて煙幕みたいな葉っぱの煙をまき散らしながら登場してみたりと、面白いけど今の日本の事情じゃヤヴァ過ぎるんですよね。

その他、堕胎した妹(J・ジェイソン=リー)を向かえに行くやさしい兄貴(J・ラインホールド)が車に妹をエスコートしてあげるシーンが最高に格好良かったりとか、映画館でバイトしてるマイクがスコット・イアン(2番目の写真の人、結婚してから眉毛剃るようになったらしい)そっくりだとか、何故か無意味にスプラッターシーンがあったりとかゆる〜いテンションで楽しましてくれます。

レンタル屋さんで見かけたら是非手に取ってみてください。



おまけ

*1:80年代のガキの頃は70年代のB級映画のテレビ放映ばっかり見てたのでこういうファッションは当たり前に感じててよく学校にも長袖の上に半袖着て学校に行っていた、死ぬほどバカにされたけど。NEWWAVE SUCKS!

*2:よくチェッカーフラッグの模様だから「チェッカー」って表記されるけどホントはイギリスじゃなくてフランスのなんかの紋章が起源なのでこの表現は正しくないと判断し僕は使用しません、ガイコツマークも「スカル・アンド・クロスボーンズ」なんて言わない