割らずに死ねるか!

とうとう観ました「マーターズ」正直辛かった。
いや、おもしろくなかったわけではないんですが、生理的に受け付けないんすよ・・・、いわゆるジャロ系の映画って。(この映画は別にいわゆるジャロではないですが)


とかいいながら子供の頃からサンテレビでやけくそのように流されるB級イタリア映画漬けだった僕なのでかつての「学校から帰った時誰もいない昼下がりにお家で観た」それらの作品群を思い出しつつ(タイトルすらも覚えてない)ノスタルジックな気分にひたりながら鑑賞することとしましたです。

そういう見方をするとですね、この映画結構笑えてしまう場面が多々あるんですよね、もろに「ダリオ・アルジェント大好き!」みたいなシーンがあるんで。

襲われる女性はちょっと色気のある美女(この映画では年齢設定が低め)

凶器は何故かカミソリ(殺傷能力極めて低し)

でも顔は何故かパンチ(要するに「女性の美しさ」を壊してるんだぞ〜、というアピール。攻める場所によって武器が変わるのが可笑しい)

そして何より

ガラス割り

なんですよ。
もうこれぞ、お約束の中の定番ですね。(体当たりで)ガラスを割った女性は大概死にます。

なんかねぇ、精神面の越えてはいけない一線を越えてしまった、という表現としてこの「ガラス割り」は多様されるんですよね。何故か昔マイケル・マン監督も使ったことあるんですけど。

もう、「割らずに死ねるか」って感じですよ。んで、主人公の女の子、凄まじい受難にも負けずに後半生き残るんですが、「割らずに死ねるか!」と思ってたんでしょうかね?(この子は最後までガラス割らない)

そして、最後にこの女の子が告げた言葉、非常に重要なんですが、観客にはそれは明かされません。個人的には「割らずに2度死ね」と言ってたんだと思うんですが・・・。


そして、悟りの境地に達した時に垣間見える人知を超越した世界の映像が、僕が子供の頃に寝つきの悪さ故にまぶたの奥に浮かんきてた無限の広がりのある世界(子供の頃は頭がやらかいから目をつむるといろんなもんが見えるんです。僕の場合、色を耳で聞いたり、音が見えたり音楽が味になったりもした)を思い出してしまいまして、前述のジャロ風味の演出と相まってお子様だった頃を思い出さしてくれました。

きっと前述のように怪奇な感性の子供だった僕が現在まで平穏無事に生き残れたのも体当たりでガラスを割らずにいたからでしょう。

割らずに死ねるか