わかってたまるか

え〜と、前回の続きなんですが、このまま、ハードボイルド=中二病で話終わらせてもなんなのでハードボイルドを心底嫌う人間ながらハードボイルドの真髄を語らしていただきます。人生山あり谷あり中二病ありなんです。

さて、ハードボイルドが感情表現を排した文章にするのは本当に「辛口ドラーイ!!」にするためなのか?否。

本当は「俺の気持ちがお前(読者)なんかにわかってたまるか!!」という心境独白なんである

「俺の気持ちをわかってくれよ!」とか「わかるわぁ、あなたの気持ち」みたいな感情で世界がまぁるく収まる、みたいな思想が世界中に蔓延する昨今、それに異論を唱えることこそがハードボイルドの骨子ではないか?と思うわけですよ。人間の心には「わかって欲しいの」という感情もあるけども「わかってたまるか」と他人の同情を拒絶するストイックな心情が確かにある、それを認識してこそはじめて大人だろうという発想ね。


というようなお話を僕は長年にわたるハードボイルド研究によってでなく


デビュー作「東京流れ者」から

仁義の墓場」を通して最近紹介した「レディ・ジョーカー」まで一貫してる渡哲也の「男の美学」について考えてたらふと浮かんでしまいました(笑 しかもついさっき。

いや、まぁ実際こういう心情を表現するのに腐心してる部分が渡団長の心にはあると思いますよ。あの人日本におけるハードボイルドの権化みたいな存在だし(笑
弟恒彦が「ふざけるんじゃねぇよ」だったら兄哲也は「わかってたまるか」なんですね。



とまぁ、こんな感じで今年は「役者の作家性」について論じる方向性でアレコレと書くつもりでございます。それではまた。