勝田ズ・ウェイ  15


この映画「カッターズ・ウェイ」の特徴はご覧のように光と影のコントラストが強調された映像美なんですね。この映画、日本でDVD化されてないのは非常に惜しいですね。

さて、それではクライマックスに向けて加速する「勝田ズ・ウェイ」まいりましょう。
くれぐれもこのお話はフィクションであり、実際の個人・団体・事件等とは一切関わりございません。


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おっと、書き忘れてたことがあったのでお話は前回の駅前の広場からです。

朝日に照らされた駅前の広場で「大淫婦」として覚醒した美馬さんにかどわかされて「大いなる幻想」のメンバーを脅迫するのに手を貸すことになった勝田くん。ベンチ(背もたれ無)に座ってこれから一体どうなるものかと不安そうに両肘を膝の上に置いて考え出していた。すると美馬さんが後ろから勝田くんの首に使える方の右手を回してやさしく抱きついた。そして耳元で「大丈夫・・・・・」とささやいた。
さすがに人格が変わった美馬さん的に見ても髪ボーボーヒゲボーボーの今の勝田くんに前から抱きつくのは勘弁してほしかったようだが、それが命取りだ。このお話には私fabriceがあるルールを設けている。お話の冒頭でエヴィンちゃんが勝田くんに後ろから抱きついたのを覚えておいででしょうか?その後彼女は悲惨な最後を遂げました。つまりルールとは

勝田くんが背中から誰かに抱きつかれたら勝田くんか抱きついた方、どちらかが死ぬ、というものだ。

というわけで「さぁ死ぬのはどっちかな?」というのがテーマでクライマックスに無理やり持っていくわけだが、この後2人は駅の近くのマクドナルドで脅迫の計画を練った。まず美馬さんは危険を回避するために公一からしばらく離れなくてはならない。そうそう長いこと避けているわけにもいかないので脅迫はできるだけ早めがよかろうということになった。脅迫の手段だが勝田くんが興戸社長に脅迫文を送る形で金1億円也を要求することにした。この金額については2人で相当長いことお互いが知り得る興戸建設のデータを元にディスカッションして決めた。出すのに躊躇しないだろうが非常にイタい出費になる金額というのが基準だ。そんなこと入念に考える暇があったら他のことももっと考えろと言いたいがど素人犯罪なのでしょうがない。実際手順を入念に決めない方が犯罪というのは成功しやすいと言われている。そんなもんだ。そして脅迫の内容だが名義は勝田くん一人だけしかこちらは素性を明かさず協力者がいることのみ相手に脅威を与えるためほのめかすようにしようということになった。
そうと決まれば早速脅迫文をマクドナルドの向かいにある文房具屋で封筒と紙とボールペンを買ってきて書くことに。最初は片手しか使えない美馬さんを気遣って勝田くんが書いたがあまりにも漢字を知らなくて漢字部分だけ美馬さんが書いた。
そしたらこの脅迫文を興戸社長に渡すわけだが勝田くんが会社に行って興戸社長に渡すことにした。ここまで考えてとりあえずは解散ということにした。金をせしめてからの行方をくらます場所等ベストな逃走手段をお互い調べるためだ。
勝田くんは家に帰ってから身支度を整え一旦出社。なお、勝田くんの会社での恰好は興戸建設の作業ジャケットに下は安いyシャツとネクタイはジム・トンプソン(のぱちもん)下はやっぱりバンズ・スリッポンにディッキーズだ。
会社に出社すると自分の部署にいかずにまっすぐビルの最上階の社長室に。社長室に入る前に大概秘書課の部屋があって秘書さん2人ほどいるわけだが小太りのおばはんを捕まえて「これを早急に興戸社長に渡すように」と脅迫文が入った封筒を渡してその場をすぐさま去った。

これで会社に用は済んだのでさっさと帰ろうと思っていたところ例によって「大いなる幻想」のメンバーである井口が勝田の今日の行動を不審がりながら物陰からジーッと見ていた。それに気づいた勝田くんはツカツカと井口の元へ歩いていきいきなり井口の頬をひっぱたいた。それも鼻血が出るまで何回も。とどめに思いっきりヤクザキックを背の低い井口の顔面に食らわして会社から出て行った。「ざまぁみろ、もう俺はアイツラの仲間じゃない!」と心の中でうきうきしながら正門から出ようとした時、ある意外な人物が待っていた。


つづく