台湾ヤマハ&わかばマン 「運命(と)の出会い3」

台湾が着てる革ジャンで最もわかりやすいのがこの動画でした。そうそう、「ロッキー3」でスタローンが着てて翌年にはスタローンが監督したトラボルタの「ステイン・アライブ」で主役のトラボルタに着せてるんですわ。どんだけ好きやねん!というくらいスタローンはこの革ジャンに惚れ込んでました。

製造メーカーのハイン・ゲリックはイギリスのテレビでCM流すくらい大きな会社として現在も存続してますが、このタイプの革ジャンは復刻しないんですよね。その代わりいろんなところでパチモンがたくさん出ております。

すいません。そろそろ書きつづけないとレコード大賞に間に合わなくなるので続きをはじめます。

なお、このお話はフィクションであり、実在の人物・団体・事件等とは一切関わりございません。ついでに上の投稿した日付もフィクションです(笑


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さて、拉致されてから3日目。とうとう尋問の日となった。両手を手錠で後ろにつながれ最低限の水分だけで衰弱しきった台湾とわかばの前に上下ピチピチの革ジャンと革パン姿の男2人が現れた。例によってピチピチパツパツの革上下のその姿は誰がどのように見ても「猿回しの猿の衣装」にしか映らない。

猿回し1「今日はお偉いさんがある要件でこの施設に来る。その前に俺たちはお前たち聞き出さなければならないことがある。そこの筋肉ゴリラ。お前その革ジャンはどこで手に入れた?5日前に港でお前に会ったヤツの話では違う恰好だったそうじゃねーか?」

台湾「誰がゴリラじゃ!猿回しの猿みたいなかっこしやがって!こんなハンサムがゴリラがどこの世界におんねん!?」

と、座り込んで質問に答えない台湾の顔を猿回しのもう一人がブーツで蹴りつけた。台湾という男は異様に強靭な体をしてるのか全くこたえていないようでこう言い返した。

台湾「そういや、ゆんべ湖のほとりで休憩しとったらうっかり脱いだジャケットを湖に落としたんや、そしたら湖の精が現れて『お前が落としたジャケットはこのイタリア製のヤツか?それともこのナイスな革ジャンか?』って言うてきたんや。俺は自分のジャケットを指さしたんやけど『正直者にはええもんあげる』って湖の精はんが言わはったからお言葉に甘えて頂戴したいうわけや」

その回答が気に入らなかったらしく猿回しの両方がダブルで台湾の顔面にキックを喰らわした。これには台湾もちょっとはダメージを受けたらしく倒れこんで鼻血をたらりと一滴たらした。

猿回し2「俺らの着てるのはルイスレザーの本社(イギリス)にオーダーした一流品だっつーの。おめーのみてーにナチ公が作った(ドイツ製ということ)ダセー革ジャンと一緒にすんじゃねえよ。おめーのその革ジャン、誰にもらったか当ててみようか?女だろ?

この質問には台湾とわかばはギクっとなった。啓子さん宅に泊まった事実がこいつらにわかると啓子さん一家まで巻き込んでしまう。必死になってなんとかしらばっくれようとする2人。

台湾「ま、まぁ湖の精言うたらアンタ、綺麗なおねえさんの姿してはるわな。せやから女には変わりないけど・・・・(ドギマギ)」

猿回し1「やっぱり何か知ってるな?白状してもらおうか。その女は今どこにいる?お前らのうち先に白状した方にこれをやろう、どうだ?」

といって台湾とわかばの前に差し出したのは板チョコだった。これを見てわかばはゴクリと生唾を飲み込んだが台湾はプイとそっぽを向いた。

猿回し1「どうした?お前は欲しくないのか?」

台湾「いやぁ、腹は減ってんねんけどな。俺昔からカカオ・アレルギーでチョコレートだけはあかんねん。子供の頃、誕生日にチョコケーキ出されてなぁ。おいしそうやったから一口食べたら救急車で運ばれて心肺停止で死にかけたんや」

猿回し2「ほう、そりゃ面白ーや、ちょっと待ってろよ」

と言って2人が部屋(というか備品倉庫)を出て30分後、チョコレートを山のように抱えて帰ってきた。それを見て真っ青になる台湾。

台湾「ひ、ひえ〜〜!!!ま、まさかそれ俺に食わす気か?や、やめて、近づけんといて〜〜!!!!」

猿回し1&2「へっへっへ、白状するまで食わせ続けるからな」

と言って二人は嫌がる台湾の鼻をつまんで口を開けさせ無理やりチョコを口に押し込んだ。痙攣を起こして苦しむ台湾に5枚目のチョコを食べさせようとしたその時である。倒れた状態の台湾が強力なアリキック(アントニオ猪木モハメド・アリに喰らわしたヤツ)を二人に喰らわして転倒させた。すかさず傍らにいたわかばが立ち上がって猿回し2の頭を蹴って失神させる。猿回し1が立ち上がろうとしてるところを台湾が後ろから頭を蹴り上げて再び倒れさせる。そして台湾とわかば両名で袋叩きである。

猿回し1「お、お前、カカオ・アレルギーは嘘だったのか?」

台湾「うん、ホンマは渋いお茶のアレルギーなんや」

と、勝ち誇って油断したのが運の尽き。失神していた猿回し2が目を覚まして「助けて〜〜!」と悲鳴をあげた。すぐにスーツ姿の石切連合の下っ端連中が部屋に警棒(機動隊が暴動鎮圧に使うやつ)を持って数人入ってきて台湾とわかばはボコボコにされた。脱走計画は失敗に終わって制裁のリンチが始まろうとしたその時である。

「一体何事?」

という女の声とともに雪男級の大男と小柄な女性が部屋に入ってきた。


その女の顔を見て台湾とわかばは思わず「あ」と声を出した。その小柄な女性とはあの夜ダンプが転倒して谷底に落ちた時に現れた女だったのである。



つづく