台湾ヤマハ&わかばマン 「弱肉強食」

え〜、最近「若者は貧しさをエンジョイしたらいい。ただ、その間にがんばっている人の足を引っ張ることはやめてくれ」と仰った竹中くんです。こんなおっさんでもハーバード受かるんだね。私も受験すればよかったよ。ケンブリッジからは向こうからお誘いが来たけどね(棒読み)

それはいいとしてこういう「弱者救済というのは本来成功に相応しい強者の躍進をさまたげる」という論をうたう手合というのがですね、90年代後半くらいから大阪にぞろぞろと現れまして、大手企業をオキュパイし、ぐちゃぐちゃにしてしまって現在の惨状はご覧の通りということでございます。こういう手合の発生の原因ですが、97年の「韓国IMF通貨危機」と「朝銀の破綻」でございます。前者で心やさしきケインズ主義者であった韓国の財閥が崩壊し、韓国経済はグローバル企業の餌食に。後者ではどういうわけか敵国であるはずの北朝鮮の金融機関から金借りて商売してたような韓国系の連中が貸しはがしにあって悲鳴を上げたのです。んで、下流に転落した中途半端な金持ち韓国国籍の子弟たちは独立自営をうたった親の失敗を反面教師に大企業の下っ端に就職。そんな時に小泉・竹中の経済改革が起きて経済グローバル化の波が韓国から日本に飛び火したわけです。その尖兵としてお声がかかったのが大企業の下の下の部署で働く上記の成り下がり在日韓国人の子弟たちでございまして、なんとか富裕層に返り咲きたい思惑やら北朝鮮への逆恨みやらが高じて「金と出世のためなら親でも殺す」勢いの「新自由主義型企業戦士」になっていったわけでございます。「同僚やお得意様や地域社会」といった「横のつながり」を無視して「民団やら経団連やらグローバル企業」といった「裏のつながり」を大事にする彼らが勝ち組のカテゴリーで大きなシェアを占める現在の日本経済の特徴は大阪という街ではさらに顕著になのは橋下大統領(笑 の躍進からもわかることでございます。

というお話は置いといて(笑 そろそろレコード大賞が近づいてきましたがこのお話終了するんでしょうか?とりあえずまいります。

このお話はフィクションであり、登場する人物・団体・事件等は実在のものとは関係ございません。

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というわけで小っちゃいおばちゃんは嬉嬉としてここ山陰地方で行われる「計画」の目的を語り出した。それはまるで外資系保険会社の生命保険のCMのようなさわやかな口調とオーバーな身振り手振りを交えたその場に似つかわしくない希望に満ちた未来を語るような口ぶりであった。例によって声は現代女性のそれとは思えないほど甲高い。

おばちゃん「あのね、あなた達は大阪から来たんでしょう?あの街のことどう思う?みんなよそから来た人がよく言うようにあそこは本当に薄汚い街なの。私も子供の頃住んでたからわかるけど本当にろくでもない連中が日本全国から集まって来て我が物顔で都心部を占拠してる。あんなことは世界中どこを探しても大阪だけなのよ。そしてみんなが一生懸命働いて作った財産を切り崩してろくでもない連中を養うために行政が動いてる。これでは一生懸命がんばった人たちの努力が報われないわ。大阪は関西の経済の中心だから関西の経済全体がそんな調子でろくでもない連中に食い物のされてがんばってもがんばっても報われない状況が完全にできあがってる。わたしたちは未来の若者たちのためにこの状況を打破しようとしてるよ。あなたたちのように若くてがんばれば一角の人間になれる人たちが努力に見合った成功を手に入れる社会。これを実現するためには抜本的な改革が必要なの。政府の政策による改革だけではこれは無理。民間、それも国家を超越するようなグローバル企業やその下で働く私たちが心を一つにしてやっとなし得る事業なのよ。私たちの行動を批判する人もいるでしょう。でも10年後100年後の未来の子供たちは私たちにきっと感謝します。私はそれを確信しています。だからどんな邪魔が入っても私たちはあきらめない。最後まで計画をやり遂げる!(といって両手の拳を握って顎の下に持ってきて頑張りますのポーズをする)今は話せないけど信じて!きっとあなた達のためになることなの。だから私たちに協力してあの女の居場所を教えて欲しいの。あなた達ならきっとわかってくれるわよね?

と立て板に水の如く早口でしゃべり終えた後、目を細めて例の白い歯をのぞかせてにっこりと笑顔を作り首を傾けて顔を二人に近づける。その様に圧倒されて二人はまるでTVCMでも見てるような気分になった。

台湾「イ、イクスキューズ・ミー・メァム」

おばちゃん「何?」

台湾「話の内容からすると要するにがんばって成功を手にするに相応しい人たちのために邪魔になる連中を追い払うってことでおk?」

おばちゃん「まぁ、そういうことです。」

台湾「んで、追い払われた連中は一体どこへ」

おばちゃん「そりゃあ・・・、然るべき自然淘汰の道を歩むしかないでしょう。がんばらなかった人たちが悪いんだから。自己責任です」

台湾とわかばはギョッとした顔で2人で顔を見合わした。2人の頭にはみすずちゃんの行く末がよぎっていた。街で一番の「イタい子」であり、反社会的人格障害と言われ続けてしまって親も持て余してるような娘さんであるみすずちゃんは間違いなくこのおばちゃんの計画では淘汰の道を歩む結果となる。いくら自分らは大丈夫だからといって「仰る通りでございます」と首を縦に振りにくい事情がある。

台湾「な〜るほどなぁ、ほいでこんなド田舎に物々しい連中がうようよしとったわけか。何をやらかそうとしてるかわからんけど、協力でけへんなぁ。もっとも最初からその通とかいうおばはんの所在は俺ら知らんねんけど知っとっても言わんとこ。大体こんなジジババばっかりしかおらん田舎に若者しか使わんようなスポーツ施設なんぞ作って何が楽しいねん?と思っとったわ」

おばちゃん「スポーツができなくなったような年寄りは年金もらっても生産性のあることはしないの。早く淘汰された方が世の中のためでしょう?それに若いのにスポーツもやらないでこの施設のスポンサーの製品について「健康に良くない」とケチをつける消費者に対して「健康を気遣うならもっと体を鍛えたらどうなの?」と喚起する目的もあります。実際製品自体は有害ではありません。元気でない人が製品を愛用するとさらに元気でなくなるだけ。それを製品のせいにするんだから、そういう甘ったれた根性もスポーツを通じて直していかなければ」

台湾「そんな無茶な・・・・。とりあえず、俺らが知ってるんはあのダンプが谷に落っこちた時にあの女が現れたことだけや。二言三言しゃべっただけやで」

おばちゃん「そんなことはないでしょう?私にはわかるわ。あなた達何かかくしてるでしょう?」

実際2人がかくしてるのは拉致の直前に啓子さん宅にお泊まりしたことである。こればっかりは口が割けても言えない。あの家族まで危険にさらすわけにはいかない。それをこのおばちゃんは勘違いしてるわけなんだがどうにもこうにも納得してもらえないのでイラついた台湾は。

台湾「あんなぁ、知らんもんは知らんねやけどそもそもアンタ一体何様やねん?はたからみたらアンタこそコネで大手に入社して、愛人やってた部長が子会社の役員に昇進したんを機に一緒に出向してお情けで部長になったお局OLくずれにしか見えへんで」

おばちゃん「失礼なこと言わないで。今のは非常に女性蔑視的な発言ですよ。私はロンドン大学新自由主義発祥の地)経営管理修士MBA)を取得して石切連合をはじめとする数々の組織を管理するエリート中のエリートです。普通の会社だって工場のパートのおばちゃんと管理部で働くキャリアを同列で見るのはおかしいでしょう?私の管理不行き届きであなた達を嫌な目(みすずちゃんの件)に合わしたのは事実だけど私自身はフェミニストというほどではありませんが女性の地位向上を訴える社会活動も行っているんです、それに私はあなた達の味方なのよ。あなた達みたいに才能あふれる若者ががんばれば報われる社会の実現を目指して活動しているんです!尊敬するマーガレット・サッチャーがかつてイギリスで実現したように!私は彼女がイギリスでしたことを関西でやろうとしてるんです。これが実現すれば大阪は第2のロンドンになるでしょう!!」

台湾「ほう、サッチャーってあの芸者みたいな頭してアメフトみたいなジャケット着たおばはんかいな?俺始めてあのおばはんの姿見たときなんやイギリスでは芸者がアメフトやるんかいな?思たで(笑」

おばちゃん「なんですって!?」

台湾「大体なぁ、あんたはエゲレスゆう国を賛美しすぎやで。確かにあそこは女王が統治する国やけど(実際は統治でなくて「所有」です)な、あんたあっこの家(英国王室)がどっから来たか知ってるんか?」

おばちゃん「どこって・・、ずっとイギリスでしょうが?」

台湾「あかんなぁ、あいつらはドイツのハノーファーいうところから来たんや。ほんですぐ上(北)に港町のハンブルグがあるんや。どんなとこか知っとるか?」

おばちゃん「さぁ・・・?」

台湾「港町でいろんな国から船乗りが来よるからあっこは欧州随一の売春街なんや。あそこの売春の利権はそらもうすんごいんやで。あっこら辺の貴族もこの利権のアガリで大きいなっとる。そこから英国王室をに招かれるくらいの大豪族に成り上がったわけや。あっこら辺と英国王室は切っても切られへんくらいの深〜い間柄なんや。もちろんそこの売春利権ともな。つまり・・・」

ここで台湾はその昔映画「仁義なき戦い 〜広島死闘篇〜」で千葉真一が言った有名な台詞を引用した。

台湾「あいつら(英国王室)言うたらオメコの汁でメシ食うとるんで

つまりあんたが石切連合の管理売春を知らんかった言うのも怪しいな。何しろ売春利権で大きなった女王の国やもんな(笑」

おばちゃん「いいかげんにしなさい!!!!」

と言ってロンドン大大学院卒のプライドを傷つけられたおばちゃんは台湾の頬を思い切り引っぱたいた。小柄な女性にしてはかなりの威力があったその平手打ちだが台湾の強靭な体はびくともしない。

山之口「ねえさん、やめてください」

台湾「海外留学組の帰国子女や言うてえばとって論破されたらビンタかい!!ずいぶんとカッコよろしいなぁ!!ええ!!?ついでに俺を殺して伝説作ったらどないや!!?」

おばちゃん「(怒りに顔を真っ赤にして)道具貸せェ!!」

山之口「ねえさん!」

と、おばちゃんは後ろに控えていた連合のメンバーから銃を受け取ると台湾の顔面目がけて引き金を引いた。その時、何故か台湾の目の前を大きな影が遮りもの凄い発砲の反響が3回部屋に響いたが台湾は無傷なままだった。

大きな影はひび割れだらけの岩石のような地肌に包帯を巻きつけた大男・山之口の手であった。台湾の顔の前で握り締めていたその手を開くと弾丸が3発地面に落ちた。

山之口はパンパンと手を払って何事も無かったかのようにおばちゃんの方に向かい駄々っ子でも扱うように銃を手にしたおばちゃんの腕を掴み


山之口「こっちに来てください!」

と言って台湾が軟禁された部屋よりさらに奥にやる小部屋(扉が入ってきた扉の反対側にある)に連れて言った。あわてて石切連合の若手メンバーたちもそれを追いかけて小部屋に行ってしまい。革ジャンの猿回し二人もどうすればいいのかわからなくなって部屋から出て行った。

何事が起こったのか事態が把握できない台湾とわかばの二人だけが目を点にして部屋に残っていた・・・・・・・・。


つづく